シティプロモーションサイトを立ち上げる過程で課題になるのは、認知拡大と市民参加気運の醸成だと思います。どのように認知を広げ、市民の参加を促していくのか?
今回は埼玉県川越市が市民に向けてサイト名称の公募を行った事例を紹介します。市民参加のためのヒントが得られる取り組み内容となっています。
埼玉県川越市では、市民の皆さんが「わが街ポータル」に対して愛着を持ってサイトを活用していただくために、サイト名称の公募を行いました。この取り組みは公募の広報活動を通じて認知を広げ、かつ公募を通じて市民の意見や想いを取り入れることで、より多くの人々の利用につながることを目的としています。また、市民が積極的に参加できる場を提供することで、地域の活性化を図ることも狙いとしています。
公募の背景と目的については、自治体職員や他の自治体の皆さまにも参考になる情報です。
公募の開始にあたっては市内の公立中学校、高校の協力を得て告知チラシを配布し、各家庭に持ち帰っていただくことで世帯への周知を行いました。これは子供たちを通じて市の取り組みに興味をもっていただき、家族単位で参加することを促していくための取り組みになります。
さらに公募期間中においては市が発行する広報紙による世帯への周知や、公募告知ポスターを商業施設や、公共施設、公民館などに掲示することで来訪者への周知を実施しました。
また、応募にあたっては市への郵送・電子申請・LINEを通じて受け付ける形式を取ることで、幅広い世代が参加できるように配慮しています。
このような積極的な周知を行った結果、応募期間中に幅広い世代から100点を超える応募が届きました。中にはおじいさんがハガキに達筆な手書きの文字で書いて送ってくださったケースもありました。
このように熱い想いがこもった応募の中から1ヶ月にわたる審査を行い最後は4案に絞り込まれ、最終的にサイト名称は「コエドカラー」に決定しました。
最後に、この名称を考え応募してくれた方から頂いた、熱い地域愛と想いのこもったコンセプトを公開します。
2023年12月1日に川越市のシティプロモーションサイト「コエドカラー」が公開されました。「コエドカラー」は、市からのお知らせだけでなく、市民の皆さんや市内事業者の皆さんからの投稿などにより、川越の多様な情報を発信するシティプロモーション特設サイトです。「コエドカラー」を利用された方に川越市のさまざまな魅力を感じていただき、「川越市に住んで良かった」「川越市に行ってみたい、住んでみたい」と思っていただけるきっかけとなることを願って開設されました。
川越市といえば海外の方も多く訪れる有名な観光地なので、「コエドカラー」でも観光地としての川越をテーマとして取り上げるのかなと私は思っていたのですが、実際に川越市のご担当者様のお話を伺うと別の狙いがあることがわかりました。
今回、サイト構築の最初のお打合せで、川越市のご担当者様から「観光についての情報は観光協会や民間のWebサイトで必要十分に発信されているので、「コエドカラー」では子育て世代に向けて市の暮らしやすさを伝える情報発信したい」とのお話を伺い、大変驚きました。
そこで、サイト構築のミーティングでは昨年度川越市が策定した「川越市広報戦略」にて子育て世代をターゲットとした施策が発表されていたことも踏まえ、どのようなコンテンツが良いか市のご担当者様と話し合いを重ね、「親子でおでかけ」というコーナーを用意する形で方向性がまとまりました。「親子でおでかけ」ではお子さんを連れて安心して遊びに行ける市内のスポットを紹介するコーナーとしてまとめています。
川越市は、公開前に川越市民を対象にサイト名募集を行いました。公募販促チラシは、公立の中学・高校にも配布し、一ヵ月間の応募数はなんと112件! その中から「コエドカラー」という名称が選ばれました。「小江戸川越から、川越の”特色”を生かして情報発信したい」という思いを込めて、覚えやすく、海外の人にも伝わり、英語にしても自然な名称となっています。
また、毎年行われている川越市内のマラソン、「小江戸川越ハーフマラソン2023」では、「十人十色の情報発信」というキャッチコピーの書かれたカラフルなのぼり旗がマラソンを走る川越市長の隣に掲げられ、市民の皆様に向けたインパクトのある宣伝が行われました。
更にリリース直前に配布された広報紙「広報 かわごえ」12月号では、市のご担当者様の発案で表紙の真ん中に配置されたコエドカラーのロゴを地域の皆さんが力を合わせて支えるという、市民参加型のシティセールスをイメージした素晴らしい構図のデザインで制作されました!
「広報 かわごえ」は川越市民の意識調査(2022年)にて、市民が市の情報の7割を入手している人気の広報紙です。詳しいサイトの内容や投稿のやり方も目次を挟んですぐのページに掲載していただいております!
コエドカラー公開から半月が経ちましたが、サイトの投稿や閲覧数はまだまだ衰えるところを知りません。発案から開設まで、熱意をもって担当してくださった川越市役所 広報室 シティセールス推進担当 副主幹の斎藤さんに、成功の秘訣をインタビューさせていただきました!
「サイト公開前に認知を上げることができたのが、一番の成功の理由かなと思います。サイト名称募集などで事前告知と同時に、うまく市民のみなさんを巻き込めたのがよかったです。また、広報紙の「表紙」に載せてから問い合わせが増えた印象です。広報紙は表紙が一番見てくれる場所なので、サイト名の募集で関心が寄せられた中、そこに掲載したことで一気に注目を集めることができました!」
またサイト公開から一週間ほど経っての感想も、お話してくださいました。
「導入にあたって、不適切な一般投稿記事によるトラブルを心配する声が庁内からあがりましたが、協働事業により貴社が投稿内容を審査してくれること、他市の先行例でも問題なく運用されていることから、合意を得ることが出来ました。また、より審査基準を明確にするため、規約の改定にも貴社にご協力いただき、安定的な運用に向けた準備を進めることができたと考えています。」
「事業の周知に当たっては、ポスター・チラシをはじめ、様々な啓発媒体を貴社に制作いただきました。各媒体の制作に当たっては、市からの細かい要望にも応じていただけて、お陰様で効果的な周知ができたと考えています。」
にこやかな笑顔で真摯に答えてくれた斎藤さん。ありがとうございました!